一言で言えば、数学を勉強することで養成されるのは、「モデル化」の思考である。「モデル」とはプラモデルのモデルと同じで、日本語にすると「模型」とか「型」などといった意味だ。「〜化」とは、何か/誰かが他の何か/誰かに変わる(あるいは何か/誰かを他の何か/誰かに変える)ということだから、数学は模型や型の作り方をトレーニングする教科であることになる。とは言っても図工や技術とは違うので、数学での模型は、あくまでも頭の中やノートの上に作られる。つまり、単純なものから複雑なものまで、教科書や黒板に並んだ様々な数式の一つ一つが、その模型なのである。
じゃあ、それらは一体何の模型なのか。「現実」の模型である、というのが答えだ。地球儀は地球の模型である。私たちのほとんどは実際の地球を外から見ることはまずできないけれども、地球の模型を作ることによって、あたかも外側から地球の全体像を見ているかのような疑似体験をすることができる。模型は、そのままでは理解しにくい現実を身近なものにしてくれるのだ。